【書評】偏差値29からの東大合格

偏差値29からの東大合格

偏差値29からの東大合格

受験指南本。本屋でタイトルが気になって買ってみました。

受験指南のテクニック本というよりも、いちエピソード本の類で、作者がいかにして東大受験を志し合格をその手に収めたのか……というのが読みやすい文章で書かれている。一見突拍子もない顛末なのだが、それでも大学受験を本気で取り組むまでの筋がしっかり通っているし、受験体験記のなかでは読み物としてかなり面白い。

テクニックについては……おそらく東大生ならこういうやり方しているんだろうな、という想像の範囲内の内容だった。独学での勉強法に迷ったら、ここに書かれている77の方法を参考にしてみてもいいだろう。ごく基本的なテクニックは別にウェブ上でも別の受験指南本でも載っているので、自分が参考になったと思う部分だけ取り込めばいい。

科目別の参考書はなるべく数を絞って、繰り返しやる「狭く、深く」がセオリーだが、この手の指南本はたくさん読んで比較してみるほうがいいと思う。夏までに自分なりの勉強スタイルを確立できればベストだが、それまでは間口を広げて色んな方法を試行錯誤したほうがいい。色んなものを観察してメリット・デメリットを自分なりに理解したほうが、後々になって勉強法に困らないからだ。

受験勉強のやりかた、スタイルで迷ったら人に相談すること。どう相談すればいいか・何を相談したらいいか分からないときは、こういう本に載っている具体的な情報を材料にする。「この本にこういうやりかたが載ってたけど、どう思う?」という聞き方だ。そういう材料としてこういう本を活用してみよう。