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そろそろ過去問に手を出そう

9月も終わり、夏休みの総整理や補強もできたところで、次に何をやろうかと思案している受験生は多いと思う。

「次に何をやろう」と悩んでいる人は、この時期に一度過去問を解いてみよう。
青本が出ているような大学なら、青本

残念ながら赤本が出ていないなら、仕方ないので赤本。

東京大学(理科-前期日程) (2014年版 大学入試シリーズ)

東京大学(理科-前期日程) (2014年版 大学入試シリーズ)

赤本と青本なら、断然青本をオススメする。
赤本は解答作成した著者が誰だかわからないし、ひどい解答・解説が散見されるのはよく聞く話である。
対して、青本駿台予備学校が威信をかけて作っているので、しっかりとした解答・解説になっている。
全く解けなかったとしても、数カ月後にはちゃんともう一度解き直さないといけないので、解説がいいものを入手しておいたほうがよい。

今完璧に解ける必要はない

この時期にどれくらい解けていればいいか、というと、半分も解けていれば上々だ。
得意科目なら6〜7割欲しいけど、苦手科目は3〜4割くらいできていれば本番で5割くらいには底上げできる。
最終的に、2月に7割取れれば合格するので、今は部分的にできる問題があって、全く手がつかない問題もある、くらいでいい。

そう、本番ですら満点を取る必要はない。

何が足りないのかを知る

今の時期、何が足りないのかは人によって違う。

・実は基本に穴があって、そこが原因で解けない。
・基本的なことは満面なくそこそこできるのに、演習が足りない。
・大学の要求するレベルが高く、もう一つ上のレベルが必要。

上のような例が大体定番で、それぞれにあったやり方がある。
これは、自分で解いて、自分で実感するしかない。
ゴールまでの距離をここで一度冷静に見つめなおすためにも、浅く広くやったかなと思うこの時期に一度過去問で距離を測ろう。

関連記事:赤本の使い方

この本で大丈夫ですか?

これはこういう仕事をしていて、よくある質問のひとつ。
大抵の場合の答えは決まっていて

「うん。まずはやってみ」

となる。
大抵は大丈夫。
とんでもなくマイナーな参考書持ってきて、これはどうなんだっていうのがたまにあるのと、到達点と自分の今のレベルを見誤るケースはあるけど、今はそれは置いておく。(後者に関しては以前に「自分の程度に合わせてレベルを下げる」という記事を書いた)
終わらせてもいない参考書について、あれこれ言うのはあまりいい傾向ではない。
そういう人は、終わっていない参考書を、既に終わらせた気になっていることが多く、同じ教科の同じような本を途中で投げてしまう傾向にある。
ただし、どうしても頭に入ってこない事項、分からない事項は存在するだろうから、苦痛になったときは周りの人に相談するのは良いと思う。
そういう場合は、「どうしてここはこういう風になるんですか」という質問や、「ここが分かりません」という形式になるはず。
参考書の到達点というのは結構難しくて、同じ参考書を同じようにやっても、人によって読み込む深さとか、やったあとに覚えている程度は違うので、一概には言えない。
だから、○○をやったら、センターで8割取れますか?とか、○○を何周したら、どこどこ大の過去問で合格点取れますか?と言った質問は的外れ。
まずは全部ひと通りやってから、過去問を解いてみて、その手応えとか、解説がちゃんと理解できるかとか、そういうところで判断して、迷うようであれば、

「この参考書をここまでやって、過去問を解いてこうだった。次にこういう段階になりたいんですけど、どうすればいいでしょうか」

という質問をしたほうが、先生も建設的な意見をすることができる。
今売られている参考書は、特に有名で定番のものを使っていれば(特にこのブログで取り上げているようなやつ)、大学受験で必要とされている大抵のことは身につく。
もちろん、人によって合う合わないはあるから、そこはあまりにも苦痛なら考えるべきだけど、それに囚われすぎると、こういう変な質問をしたり、中途半端に読んだ参考書(ヘタしたら買っただけで満足してしまった参考書)が本棚に積まれることになる。
みんな同じような参考書を使っているのに、合格、不合格の差がつくのは結局やったか、やらなかったか、という単純な問題がかなり大きいので、まずはひと通りやること。

得意を伸ばすか、苦手を潰すか

これは受験生にとって永遠のテーマかもしれない。
というより、大学に入り、更に大学院に入ってからもこれは現状として付きまとう問題。
他人の勉強を見ていても、自分の勉強をしていても痛感するけど、これは結論としては後者が優先。
あくまでも自分の感覚ではあるけど、高校、大学、さらに院の受験を経てこれは感じた。

苦手を無くす方を優先する理由

簡単に言えば、受験の試験範囲は広いから。
と、一言で片付けてしまうと抽象的なので、少し具体的に書き下すとこんな感じ。

・大学受験で言えば、高校三年間で教わるすべての範囲が出題範囲

・試験として成立する難易度=標準問題、サービス問題の存在

・得意分野をハイレベルにする労力>苦手分野をそこそこにする労力

当たり前の話だけど、普段の定期試験とは違い、3年間で教わる全てが試験範囲だから、むちゃくちゃ範囲は広い。
だから、「ここは東大の問題でもできるけど、ここはさっぱりでセンター試験レベルでも無理です(または、ここの大学は傾向として出ないからやってません)」というのは、万が一そこが本番で出てしまったら、確実にそこは落としてしまう。難問をあえて捨てて、解ける問題に時間を回すのは受験の常套手段だけど、こういう理屈でこの戦略を用いるのは得策じゃない。
同じ教育を受けた同じレベルの受験生が受けて、その中でできる人、できない人を選別する試験なので、難問を出す大学でも、中には基本の問題が混ざっている。これが「確実に取るべき」問題。たとえ得意分野で補ったとしても、それが難問だったら落とすかもしれない。偏差値50を55にするのは比較的簡単だけど、偏差値65を70に伸ばすのはおそらく倍以上の労力が必要で、これは分野、教科、単元にも同じことが言える。
さらに融合問題という複数分野にまたがった問題は、そのうちの一つの分野でも全くできないものが存在するとお手上げになる。

受験生の時間は限られているから、時間を無駄遣いしないためにも、合格には「得意を超得意にする」よりも、「穴を無くす」ほうが優先順位は高い。

得意科目ばかりやるのはある意味サボりと同じ

科目に関係なく、勉強していることには変わりはない。が、数学が得意な人は、他の科目と比較して数学の勉強は苦痛ではないはず。だって、問題が解けて楽しいから。
それで、数学ばかりできて、他の科目ができなかったらどうなるか。答えは明白だろう。さらに言うと、自分の場合は化学の有機化合物の構造決定問題が大好きで、構造決定問題なら東大・京大の問題もほぼ余裕だった。が、難関大でよく出題される化学平衡の分野が苦手だったので、結局化学の偏差値はあまり伸びなかった。得意なことをやるのは楽しいし、勉強した気にはなれるけど、それだとなかなか成績そのものは上がらない。
それはつまり、嫌なことから逃げて、好きなことばかりやっていることに他ならない。(文系の人でも、歴史オタクで歴史はものすごく詳しい人がいるけど、そういう人は受験には弱い傾向にある)

理系は特に苦手を残すと入ったあとがつらい

理系で英語が苦手な人がけっこういる。これは放置しておくと大変なことになる。というのも、数年後、教科書が英語で書かれていているものを使わされたり、論文を読むときは基本的に全て英語だから。
「理系だから英語は」とか、「理系だから国語は」というのは、大学受験でしか通用しない。(専門の教科書を読むのは、現代文の文章を正しく読む能力が必要です)
「今は大学受験やってるんだからいいじゃないか」という人は、大学に入ることを一度考えなおした方がいい。そんな人は、そもそも、何のためにこんなに辛くて苦しい勉強をしているのか、という問いを自分にしてみることをオススメする。
大学に入るために勉強するのか、大学で学ぶために勉強するのか、では大きく勉強の仕方が異なる。本質的には後者だと自分は思っているから、そういう前提で書いているんだけど、そのためには苦手を苦手のまま残す癖をつけるのは絶対に将来の自分のためにならない。
大学に入ってから、意味の分からないことなんて余計に増えるし、それを解消するために何冊も本を読むのは気が遠くなる作業だけど、これはやらないと先に進めない。
そういう入ったあとの事情もあるので、まずは浅くでもいいから、広く基本をしっかりと身につけるということを意識して、粘り強く学ぶこと。

それが、大学に入ってからの勉強で必ず役に立つ。

受験なんて、所詮入るための通過点でしかない。

これは、何度も受験を経験した者からの助言。

微積分 基礎の極意

理系難関大を受ける人、微積分の強化にはこの一冊を!

微積分/基礎の極意―大学への数学

微積分/基礎の極意―大学への数学

標準レベルの問題集を終え、理系の入試問題を解いてみると、微積分の比重が大きく、そして1問の計算量が重かったりすることがよくある。
何故理系の数学で微積分の比重が大きいかは別の記事でも書いたけど、微積分は大学に入ってから理系で生きていく上では要となる。
微積分ができないと、理系では何もできないし、逆に微積さえしっかりできれば何とかなると言っても過言ではない。
必然的に難関大の理系では、必ずと言っていいほど微積分の問題が入っている。
計算力・実践力の強化に、この本は必ず役に立つ。特に東工大などの重い微積分が頻出となる大学を受ける受験生は必須と思っていい。

使い方

中身は全部で3部の構成になっている。
第1部は計算力のチェックということで計算問題。
第2部は解法や定石の紹介。
第3章は有名問題や典型問題の解説。
となっている。
もちろん、本題は第3部なんだけど、計算問題も侮れない。
これ一つで入試問題となりうる問題が収録されているから、練習のつもりで制限時間以内に取り組んでみる。
あとは第3部を解いて、解説を読んで、第2部の該当箇所と往復しながら、有名問題の解答の流れを掴んでいく。
「有名問題」や「典型問題」という表現はしているけど、簡単な問題はないと言っていいだろう。
基本的な微積分の問題が解けるのが前提で、難関大でよく出るテーマの微積分を取り扱っているという意味で「有名」とか「典型」という言葉を使っている。
教科書の基本問題と、入試の裏にある出題意図との差を埋めてくれるような問題が多く収録されているので、これをマスターすれば東大・京大の極限・微積分の問題でも難問でなければ方針は立つ。

化学I・II標準問題精講

難関大志望者は過去問をやる前にこれをやる。
問題数は絞ってあるけど、その分1問が重く、解説もしっかりしている。
赤本をやる前に、標準問題から一歩先の演習を積むならこの本が最適。

化学I・II標準問題精講

化学I・II標準問題精講

赤本を読んで、特によく出る範囲は繰り返しやる。
分からなければ、精講がヒントになっているから、それを元に解く。
演習が目的だから、ある程度解けるまで粘って考えてみる。
特に、理論化学の分野は難関大における「標準的な問題」が詰まっている。
駿台の理系標準問題集でいうところの、B問題の**ばかりが詳しい解説付きで収録されている)

理論は良問を何度も解くのが一番効果的。
有機化学は、この問題集だと量が足りないから、駿台有機化学演習を使って量を補おう。
この問題集の理論の分野が問題なく解けるようになれば、難関大の化学の頭の使い方というのが分かってくる。
重要問題集だけじゃ手に負えないような重い問題を出す大学の志望者は仕上げにこれで思考力を補強しよう。
演習問題も、余裕があればやるように(あんまり問題数もないし)

また、センターが終わったあとに総まとめと、ハイレベルな問題への勘を取り戻すためにやってもいい。
全部の分野で70題しかなく、よく出題される分野に絞ってやればもっと少なくて済む。

重要問題集などで、標準的な問題がしっかり解けるようになったら、取り組む。
流石に、かなり基礎的な部分の解説は端折っているから、基本的な問題が解けて、知識面にもあまり穴がない状態で挑まないと、あまり効果が期待できない。