英文法がはじめからわかる参考書

英文法の基礎理解用の参考書について紹介したい。英文法に限らないが、「概念理解」と「問題演習」とそれぞれ参考書があると思ってもらえると分かりやすいだろう。

「概念理解」というのはたとえば「仮定法ってなに?」「どういうものが仮定法なの」という根本的な部分を理解するということ。「問題演習」というのは基本的に概念を理解したうえで「どんな問題の出方をするか」「どう解けばいいか」をチェックしていくということ。

基本的な考え方、ニュアンスを理解しないまま問題演習だけをやっても一知半解だし、逆にニュアンスを理解したけど問題演習をしなかったら入試問題は解けない。その2つがあり、両方をマスターしていくのが重要。

英文法は根本から理解するのが難しいので、概念がわかる参考書を紹介してみる。

成川の「なぜ」がわかる英文法の授業

英文法を根っこから理解したい場合、成川先生の参考書が一番わかりやすいかも。上に挙げた「仮定法」の解説でいえば、どの参考書よりもわかりやすく、ネイティブの考え方の即した解説の仕方がされていた。とにかくとにかくわかりやすいの一言に尽きる。

英文法は概念理解でつまづきやすいので、こういう本で「あー英語ってこんな簡単なんだ」という感触をつかむことが重要。

強いて弱点を挙げれば、この本は英文法の単元をある程度絞っている点。時制から比較など主要単元はあるが、冠詞など参考書の後ろにあるような項目については書かれていない。

が、載っている内容だけでかなり英語に強くなるのは確かなので、一読をおすすめ。

似たような参考書との比較

かなり自分の意見が偏っているのを先に断っておきます。

世界一わかりやすい英文法の授業

同じように英文法の基礎的な部分にくわしく解説をした本書。参考書としては良書といっていい内容。

ただ、楽しく読めるし網羅的だけど、成川英文法よりもひとつひとつの解説はどうしても浅くなってしまうのと、「aとthe」の違いだったら受験生はまず最初の時点でそこまで手を伸ばす必要はないかなと思ったりも。

まず大事なのは受験の基本をつかむことなので、この本は受験後のTOEICなどの対策本かも。でも、十分有用な内容です。仮定法については成川英文法のほうがわかりやすかったけれども。


NEW・山口英文法講義の実況中継 (上) 改訂新版

実況中継シリーズって「概念理解」の本なのかなーと思っていたけど、この本はどちらかというと問題演習のための準備本なのかもしれない。仮定法なら「仮定法とは何か」みたいな本質には触れずに、淡々と「仮定法過去と過去完了があります。見分け方は・・・」みたいな解説をしているのみ。正直、読んでいても根本から理解することにはつながらなかった。

もちろんここで引き合いに出すのも申し訳ないけれど、参考書を手に取る際は自分がどんな目的でその本を見ているのかを、意識したうえで手に取ったほうがいいと思ったからだ。なんとなく手を出すよりは、その本で何を得られるのかを考慮したほうがいい。

英文法が苦手な人は、問題演習ではなくそれ以前に根本から理解したほうがいいと思うので、そういう人には上の参考書をおすすめしたいです。