社説に学ぶ小論文の書き方

新聞の表を一枚めくると「社説」欄があるのだが(天声人語などではなく)、社説は何度も書いているように小論文のお手本としてぜひ参考にしたい文章が載っている。

まあ、新聞によって思想に偏りがあるとか、ネットの有名なブログのほうがまともなことを言っているとか、そういう批判の打ち寄せることもある社説欄ではあるけれども、ここでは技巧的な観点から、参考にすべきと言っておきたい。

新聞は文字数を厳密に絞り込まないといけないメディアだ。ネットは文字数の融通がいくらでも効く。紙とちがってスペースが半無限だからだ。一方で紙媒体の新聞は「紙面が限られている」ので、なまじ中途半端は書き方はできない。したがって、限られた文字数の中でまとめられているかどうかという価値基準でいえば、ネットよりも紙媒体のほうが優位だ。

そして小論文もまた限られた紙面のなかで問われる科目だ。なので新聞のなかでもっとも文章力の求められる社説欄は、小論文の参考になるスペースであるというわけだ。

それと思想面での偏りは正直どうでもよい。いずれの考え方に対しても「客観的」に考えられるようになることが重要だからだ。こういうのもある、ああいうのもある、と雑食すればいい。読む新聞を限定しなければいいだけ。

なので、100個くらいは社説を読んでみるといい。テーマはどれでもいいし、数をこなして良い文章の見本を脳髄にインストールできればいいわけで……センスがわかったら筆を取ればいい。