現代文学習のアウトライン

論理力をつけるために学習する

現代文は他教科に比べると「新しい知識を身につける」という科目ではなく、そのためきちんと対策をしない人もいる。いわゆるフィーリング解法でなんとかなってしまうのだ。

しかし、受験をするうえで現代文をやらないよりは真面目に取り組んだほうがメリットが大きい。現代文は「論理力」を養う教科だからである。

論理力とは、物事の「つながり」を見つける/作ることのできる力のこと。原因と結果、具体と抽象などが挙げられるが、文章の読解は原因と結果がほとんどのウェイトを占める。つまり「どうしてそうなったのか-So What?」と、「だからどうした-Why So?」の2つだ。この2つはハイレベルな職場環境であれば痛いほど耳にする。日本は鶴の一声で決まったり、直感を重視する傾向があるのだが、外資系企業ではSo What?とWhy So?を常に問いただされる。この分析が仕事の向上に不可欠だからだ。論理的である=誰がみても正しいことは明らか、ということ。客観的に答えを出すということがすなわち論理的であるということだ。そして現代文は客観的に正しい答えを導きだす科目である。

小論文はまさに論理力をピンポイントで問う科目だが、小論文に限らず論理力を問う科目がほとんどだ。歴史の因果関係を知ることは、過去の事象を「つなげて」知ることだし、数学の証明問題も数字のなかに「つながり」を見出していくものだ。現代文を通して論理力を鍛えることで、他の科目を解く基礎にもなるのである。

論理力の身につけ方

論理力が身につく、といっても決して漠然と解いているだけでは身につかない。入試現代文へのアクセスなどの紹介記事でも書いているように、解法のプロセス検証が重要だ。簡単にいえば自分でどのようにその問題を解いたのかを覚えておき、それを正しい解き方と照らし合わせることで「つながり」の見出し方を学習する、という方法だ。現代文は解答そのものよりも解き方を検証する科目なのである。成績が伸びなくてつまづいている人は「解法のプロセスを検証する」ことをやっていないのではないか?

論理力を基礎から身につける

受験対策としての論理力を磨くために、解法のプロセスが検証できる参考書を使って徹底的にその方法を実践していく。現代文はなまじ日本語だからある程度問題が解けてしまうこともあるが、まず上に行くためには基礎的な内容のものを完璧にしていくべきだ。いくつか参考書を紹介していこう。

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解き方から学ぶことができ、スタートに最適。
参考:田村のやさしく語る現代文

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アクセスは発展編もあるが、中堅レベル辺りを完璧にしたいならこちらを。解法プロセスはこの一冊で完璧に仕上げることができる。
参考:入試現代文へのアクセス入試現代文へのアクセス発展編

これらを進めながら、漢字や論述対策なども並行してことにはなるが、まず現代文で重点的にやるべきは解法プロセスの基礎を習得すること。上の2冊は完璧に習得するために何度も使うようにするといい。