記述問題の解き方
記述というのは、選択肢問題ではなく、自分で答えを書く問題形式のこと。広義でいえば漢字の書き取り問題も含まれるが、ほとんどの場合15〜80字程度の記述回答のことをいう。
基本はポイントを押さえているかどうか
記述対策のコツとしては、
1.ポイントを押さえた回答をする
2.日本語を推敲する
この2つが大事だ。ポイントというのは、採点基準のこと。30字で書く問題の配点が5点だとしたら、ポイント1が入っていれば3点、2が入っていれば2点、という風に採点される。すべて入っていれば正解というわけではなくて、ポイントごとに得点が上積みされる部分配点方式だ。
ポイントを押さえればいいのだから日本語の上手さなどは全く採点対象にならない。最低限間違った日本語じゃなければいい。キーワードを羅列してみて最後に文法がおかしくないかチェックする。これが苦手な人は誰かに添削してもらえばいい。
ポイントの押さえ方
基本的に回答の仕方は決まっていて、
問題の形式 | 押さえ方 |
---|---|
〇〇とはどういうことか説明せよ | ポイントを羅列する |
〇〇になるのはなぜか説明せよ | 〇〇の「理由」にあたる箇所を見つけて羅列 |
〇〇だとどうなると筆者は書いているか | 〇〇の「結果」にあたる箇所を(ry |
それが何なのか(What)、なぜそうなるのか(Why So?)、それがどうなるのか(So What?)のいずれかであることがほとんど。それぞれポイントの探し方が決まっているから、上のように探していけばいい。
ただ、問題を見てから読み返して探すのは効率が悪い。文章が読みにくいと、何度も何度も行ったり来たりを繰り返すことになるからだ。
先に記述問題を見ておいてから本文を読む「設問先読み式」がおすすめ。「ここが理由」「ここは言い換え」という風に、設問に関係ありそうなところにチェックを入れるのだ。これにより読み返しの回数を減らし、回答時間を短縮することができる。
文章のどこが理由でどこが言い換えなのか、についてはまた別の問題だが、ヒントとしては接続語をチェックしながら読むことで論理展開が分かるとおもう。「だから」「したがって」なら理由→結果、という風に。
本文:Aである。したがってBである。
設問:Bになるのはなぜか説明せよ。
解法:Bの理由を問う問題。なので「だから」「したがって」などの順接の接続語をまず見ていく
文字数とポイント数
〇〇字で説明せよ、という問題で字数によってポイントをいくつ書けばいいか検討をつけることができる。40字なら2つ、50字〜60字なら3つ、とかだいたいそれくらいだ。
ポイントあたりの文字数が厳密に決まっているわけではないけど、だいたい15字〜20字がひとつのポイントになると思っておくといい。問題にもよるけど、経験的にはそれくらいだった。
ポイントが1つしかないのに60字で書けという問題はあまりなかった。60字なら2、3個の部分配点に分かれるだろう、くらいに思っておくこと。
句読点を入れるかどうか
ポイント2つ以上なら句点(。)を入れるようにする。入れなくてもいいけど、記述系の参考書をみると入れている場合がほとんど。60字くらいの記述問題だと読点(、)を入れるだろうから、読点があって句点がないのはおかしい、みたいな感じ。なくても減点にはならないはずだけど、一応入れておく余裕があれば入れるほうがいいかも。
ただし文字数を切り詰めないとどうしても字数に収まらないときは、まず句読点を削るのがいい。指定文字数が20字なら句読点を入れない場合がほとんど。
部分配点の仕方は入試現代文へのアクセスがとても参考になる。論述まではいかないけど記述用の対策として解説がとても豊富なので、対策をはじめたい人には最適だろうと思う。
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