現代文の読み方/「教養としての大学受験国語」

教養としての大学受験国語 (ちくま新書)教養としての大学受験国語 (ちくま新書)
石原 千秋

筑摩書房
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ブログを書いていて、なにがなんでも紹介したかった本。自分の大学で、大人気の先生である。現代文にこれから取り組む受験生に、現代文の読み方を教えてくれる良書なので、紹介してみたいと思う。

こんな人におすすめ

◎現代文の文章の読み方を知りたい
◎受験現代文の概要を知りたい
◎偏差値40〜∞
◎根本的な「読む力」「読解力」をつけたい

使い方

▼読み進めつつ、実際に問題を解いてみる

この参考書は文庫なので持ち運びながら使えるのだが、最初は読みながら実際に問題を解くこと。

まずちょっとずつ読み進めてみて、途中から過去問を取り上げているパートまできたら、問題を解いてみる。取り上げているのは明治や早稲田などでも出題された有名な文章などだから、受験現代文がどういう傾向、特徴なのかを知るチャンスにもなる。

解説はじっくり読む。解説を読むだけなら電車のなかでもいい。

▼繰り返しやる必要はあるか

繰り返し何度もやる必要はないが、何度も読み返したくなる本だから、答えはノートなどに書いたりするといいだろう。スゴイとおもったのは設問への解説だ。この本じたい、テクニックではなく「文章を読む方法」をテーマに書かれているのだが、設問への解説が予備校講師顔負けのわかりやすさなのだ。

現代文の参考書のなかには、解説がろくに書かれていない本もたくさんある。大学生のバイトが解説を代わりに書いている……なんて噂のある参考書もある。誰が書こうと良い内容ならいいが、解説してるようで解き方や選択肢の根拠をちゃんと書いていなかったりするのは、受験生にとっては困りものだ。

このブログではそういう本はおすすめしないが、ともかくこの「教養として大学受験国語」はすごい。選択肢問題の消去法といったテクニックにももちろん言及しているので、解説でどのように選択肢を選んでいるか、作者の思考プロセスを追っていくだけで解き方がある程度学べる。

一番最初にこの本から始めるのは◎。受験国語のアウトライン理解に役立つだろう。文庫本としてはそこそこの量(300ページ程度)だが、読み進めると楽しいのでまったく多いという気がしない。

どの参考書と合わせて使うか

受験現代文のテクニック、解き方の基礎の基礎として「田村のやさしく語る現代文―代々木ゼミ方式」がおすすめ。田村でテクニックを理解しながら、こちらの本で「読み方」を理解していく。そのあと、「入試現代文へのアクセス」へ進めば、さらに現代文の解き方、読み方が体になじんでくると思う。

・田村の現代文&本書→アクセス
・本書→田村→アクセス

どちらのルートでもいいが、田村と併用することで解き方の基礎を色んな視点から理解できる。アクセスはその実戦用として使う。活字を読むのがちょっと……という人は田村で自信をつけてからでOK。

現代文の勉強の仕方への不安を克服したいなら絶対オススメ

現代文は最初の頃、勉強の仕方もわからないし、実力が伸びているのかどうかも判断しにくい。勉強の仕方、続け方でとても不安になりやすい教科なのだが、この本を読むとそうした不安が消えると思う。

文庫サイズなので、例題の文字が小さくて解きにくいかもしれないが、例題の部分だけ拡大コピーして使うといいかもしれない。ちょっと読んでみて気に入ったら、何度も読み返したり問題を解いてみたりする。一応、有名大学の過去問で解き方も解説されているから、参考書としても十分使える内容。

ちなみに、大学に入って読み返したときも、新鮮な気持ちで読み返せた本である。大学生が読んでも社会人が読んでも面白いはずだ。そもそも本をものすごく読みまくる大先生なので、ぜひ読み方や知識の身につけ方などを参考にしてほしい。

参考:著作一覧

姉妹編

国公立やセンターなど、小説が出題されるケースの対策用に。

大学受験のための小説講義 (ちくま新書)大学受験のための小説講義 (ちくま新書)
石原 千秋

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見た目とタイトルがよく似てるので間違いやすい。自分は結局2冊とも買ってしまった。