予備校に通うということ

予備校は、活用次第では、合格への何よりも強い武器になる。高いお金を払って通わせていただくのだから、予備校を徹底的に使いたい。
大半の受験生が活用する予備校。その中でも活用できた人と、そうでない人と、分かれるようだ。そこで、どうすれば予備校を余すところ無く活用できるか、予備校で何をしなくてはならないか、を今回は書いていく。
一見、とても当たり前のことばかりを書いていくが、当たり前のことを当たり前に出来る人が少ないから、このような記事を書くのだ。これは主に浪人生に向けての記事ではあるけれど、現役生もある程度参考になると思う。

まずは友達を作る

受験生、特に浪人の最大の敵は孤独だ。一人で悩むと、そのまま袋小路から出られずに、精神状態が悪い方向に傾いてしまう。これだけは避けなければいけない。(いつだって悩みは尽きないし、どんなに対処しても時には机の上で発狂してしまうこともあるかと思うけど)
予備校には、同じような目標をもった、同じような境遇の人が沢山集まる。特に浪人のクラスなど、みんな落ちてここに通う羽目になった人ばかりだ。
なので、変に気を負わず、春先に友達を作ってしまった方がいい。春先を逃すと、クラス内の雰囲気が出来上がってしまい、友達を作るのが難しくなる。すぐに隣近所の人に話し掛けるのが吉だ。
ここで大事なのは、良い友だちを作ることだ。高い志を持ち、真面目に勉強に取り組む友達を持てば、自ずとそれに自分も引かれて、真面目になる。そして、一年間励まし合い、競い合い、戦友となる。そんな友達さえ見つかれば、浪人生活の半分はうまくいったも同然だ。
逆に、予備校でぼっちだと宅浪とあまり変わらないし、つい予備校も怠けがちになる。
鉄の意志を持ち、孤高を好む人は、別にそれでもいいのだけど。

※ただし、恋人を作るのは、かなりハイリスク。別れると気まずいし、落ち込んだり、のめり込んだりすると、勉強に手がつかなくなる。受験生に必要なのは、勉強へのモチベーションを高く保ち続けることだ。
ただでさえ、後が無い状況で不安が絶えない一年なので、よく考えること。

学習の中心は予備校に

予備校に通うのだからある意味当然のことだ。
予備校のテキストというのは、なんだかんだで必要な事項がよくまとまっているのである。
英単語のようにどうしても自分でやらないといけないものもあるが、一年間、とにかく予備校のテキストの予習復習を徹底的にやる、というのをまず第一に考えていこう。
上位クラスのテキストはたしかにハイレベルだ。
予習の段階で手がつかないということもあるだろう。
別にそれはそれで何も悲観することはなく、それなら復習を徹底的にやればいい。
手が全くつかなかった問題が、一つ確実にできるようになる。これは大きな進歩ではないだろうか。
授業の板書をとり、わからないところがあれば参考書をめくって調べ、もう一度考えなおし、それでもわからなければ、先生に質問に行き、テキストの問題をひとつずつ、確実にしていく。
それだけでかなりの勉強になるはずだ。おそらく、自分で参考書をイチからやるよりは効率がいい。

あとで物理の勉強の話をするときにも書くと思うが、物理は予備校のテキストが一番いい。
いくつか参考書や問題集をやったのだが、いわゆる「高校物理」のあやふやな説明から抜け出せていないものが多い。
よくわからないものを、よくわからないまま、「暗記」で済ませてしまう。
これが一番物理を始めとした理系科目でやってはいけないことだ。
大学入ってから改めて勉強するのだが、物理で「なるほど」と思うようにはるには、やはりある程度微積分を利用しないといけない。
だが、独学で微積を利用した物理を学習するのは難しい。
と、なると、予備校の授業で一度誰かに説明してもらったほうがいいのだ。

理系科目は、一度誰かに説明してもらったほうがすんなりと納得することが多いので、特に予備校の授業を有効活用しよう。
それでも時間が余ったら、好きな参考書を好きなだけやればいい。

予備校に入ったら、まずは予備校に浸る。これがお金と時間を無駄にしないための、最大の秘訣なのだ。

(ただし、予備校の職員の講習トレトレ詐欺にそのまま引っかかる必要はない。テキストの復習を中心に、自分で弱点だと思う講座部分の補強のために季節講習は取ればいい)


講師は徹底的に利用する

テキストでわからないところがあれば即質問。これが予備校の利用の仕方の基本。
何故こうでなくてはいけないのか、こういう解答ではいけないのか、ここの説明がわからない、と質問を具体的に決めて、講師に質問に行くように。鋭い質問だと、褒めてくれる場合もある。
更には、自分で使ってる参考書などの疑問点も聞くのも手だ。その他勉強の方針や、これから何の参考書やればいいか、などを聞いてもいい。
三大予備校の講師なら、院卒の先生が多い(というか、たぶんほとんど)なので、その科目に関してはプロフェッショナルだ。分からないことはなんでも聞こう。
どんな質問でも割と答えてくれる。
講師と仲良くしておくと、人生相談などにも乗ってくれるので、とてもありがたい。

どの予備校に行くか

話を国立理系に限って言うと、駿台を推す。特に難関校の物理は、絶対に駿台がいい。
というのも、山本義隆先生の存在が大きいのだが、あの先生の授業は物理学科を目指す人は一度受けてみたほうがいい。
お茶の水校と千葉だか津田沼にしかいらっしゃらないが、その辺の大学の授業よりよっぽど楽しく、為になる授業をなさってくれる。
何より僕が好きだったのは、先生の目だ。物理が好きなことが教えてる目の輝きから伝わってくる。
今でもあの先生の講義はもう一度聞いてみたいものである。

それは別にしても、東京近辺に住んでいるのであれば、いわゆる予備校の「本部」に通ったほうがいい。
河合塾代ゼミを選ぶにしても同じで、講師陣の層の厚さが他の教室と比べたら段違いなのだ。
地方だとしても、通うならなるべく大きな教室に通うのがいい。ちょっと時間がかかっても、教室によって質が全く別物。

あと、旧帝大以上を目指すなら東大コースか京大コースを取ってしまったほうがいい。
難関コースのほうがいい講師が揃っているケースが多い。
違いは過去問の難易度くらいで、授業そのものにそんなに差があるとは思えない。
旧帝大以上を目指すなら、より質の高い授業を受けておこう。