受験生の睡眠

この記事を書く理由は、最近塾で教えていて、授業中に寝る生徒がよくいるから。
それも、明らかにやる気のない生徒ではなく、やる気はある生徒が授業中に耐え切れずに寝てしまう。
気になってちゃんと寝てるのかと聞くと、「ちゃんと寝ました」と言うのだけれど、よく聞いてみると実は5時間しか寝ていない、などということがある。
自分の体力と睡眠時間が合っていない証拠であり、夜無駄に遅くまで勉強して、勉強するべき時間に寝ていては本末転倒ではないだろうか。
きっと、受験生の中では「寝ないで勉強する自分がかっこいい病」や、「寝たら落ちる病」に罹っている人が多いのだろう。
自己陶酔はメンタル面で大事と言えば大事なのだけど。

昔は、よく四当五落などと言われていた。(四時間しか寝ないような生活で勉強すると合格するが、五時間も寝ると落ちるという意味)

しかし、そんなものはおおよその場合嘘だ。四時間なんかで足りるわけない。
稀に、三時間の睡眠でも100%のパフォーマンスを発揮することができる人もいることにはいる。
そんな一部の人の成功例を挙げて、みんながみんなそれを実行して成功するかと言ったら、そうではない。

しっかり自分にあった睡眠時間をきちんととってほしい。

受験生にとって寝ることは勉強することと同じくらい大切なことだ。勉強した事項を頭の中で整理するのは、まさに睡眠時間の中で行われるからだ。
何より、純粋な頭脳労働は眠気との戦いであり、睡眠時間を確保しないと効率が格段に落ちる。
最悪の場合、睡眠不足で体調を崩してしまうことだってある。

「だって、寝たら志望校に落ちる!」

本当にそう思うなら、志望校を変えてはどうだろう。


睡眠時間の確保は、生活習慣から

睡眠時間をどう確保するか、はまず安定して同じ時間に起きることに始まる。
一人でどうしても起きられないのなら、この際しかたないので、家族に協力でもしてもらうしかない。どんな手段を使ってでも、規則正しい生活リズムを手に入れよう。
何より、毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きることが睡眠時間の確保につながる。
今日やるべき課題がそれまでに終わってないのは、次の日への反省とすればいい。
受験までの道のりは長いのだから、一日の出来に躍起になるよりも、明日へとどうやって繋げるかを考えなくてはならない。
良い一日があったら、それはそれで何故今日は良い一日を過ごせたのかを考え、次の日も同じ良い日を過ごせるようにしよう。
規則正しい生活リズムと、勉強を積み重ねていけば、きっと大きな成果となる。塵も積もればなんとやら、である。

今日一日、夜遅くまで勉強して、次の日に眠くて勉強できませんでした、では今日勉強する意味がどこにあるのだろうか。
とにかく、夜は今日やったことを見直し、単語を覚える程度にして早く寝てしまった方がいい。日付が変わるくらいには寝てしまうのが一番。
それくらい、睡眠時間の確保は勉強にとって大切なこと。

八時間寝ないと100%のパフォーマンスが発揮できないのなら、それで仕方ない。
どうしても睡眠時間を削るのなら、睡眠の質を改善することを考えてみるのがいい。
より効率のいい睡眠時間を過ごすには、どうすればいいのか。試行錯誤して、最適な睡眠を見つけて欲しい。
それは受験が終わってもきっと役に立つ。受験は人生の終わりではないし、ましてや人生の目標でもない。

質の高い適度な睡眠が、快適な受験生生活を送る鍵となることはお分かりいただけただろうか。
昼間寝るくらいなら、夜にしっかり寝たほうがいい。
その代わり、起きている時間を最大限に活用する。そして、寝るときも全力で寝る。
だらだらやるよりも、起きてる時間も、寝てる時間も、濃密な24時間を自分で作る努力をすべき。

それでも眠れないときは

受験生は不安が重なり、不眠症になることもある。
不眠の原因は、精神的な要因ももちろん大きく関わるのだけれど、意外と眠れない行動をしているから眠れないケースも多い。
不眠になったら、眠れない原因を探って、一つ一つ潰していくしかない。
自分も受験生のときに不眠症になったことがあるが、眠れないと生活が不規則になり、余計に眠りたい時間に眠れなくなる。
そしてどうしてもリズムが戻せないときは、医者に行って薬をもらってでも生活のリズムは整えるべきだ。
生活のリズムが戻らずに、そのまま勉強のリズムまで崩してしまっては、結果に響くことにも繋がる。


これからの季節は、特に入浴後は身体が冷えないうちに布団に入ってしまおう。
受験シーズンが近づいてきているから、今までよりレベルの高い日常のリズムを作れるように、しっかり睡眠をとろう。