早稲田の国語(古文漢文編)

早稲田の古文漢文対策をどうするかについて(その1)。具体的な対策ではなく、今回は"融合問題"についてまとめてみました。

融合問題の有無

早稲田の古典の特徴として「融合問題」がある。古文の原文があってそれを現代文で解説したものや、漢文の原文があってそれに古文が織り交ぜられたものなど。この融合問題が各学部で年度によって出題されるのが特徴だ。

ちなみに2011年度の古典の出題状況についてまとめてみよう。

2011早稲田・学部別古文漢文出題状況

以下の表は2011年度の早稲田大学入試において、全学部の古文漢文出題状況をまとめてみたものだ。理工学部は国語の出題がないので省略。

学部古典の出題形式難易度
文化構想A.現古漢融合一部難問
社会科A.現古漢融合標準的
国際教養B.古文単独標準的
B.古・漢それぞれ単独古文は難/漢文は標準
教育B.古・漢それぞれ単独標準的
スポーツ科C.古漢融合標準的
C.古漢融合標準的
人間科C.古漢融合標準的
政治経済C.古漢融合やや難問
C.古漢融合標準的
文化構想学部と社会科学部が現古漢融合を出題。これは現代文と古文漢文がひとつの原文、あるいは設問にまとめられたものだ。古文があり、それを現代文で解説した文章だったり、漢文や古文の知識を問う問題が現代文の問題のなかで出てきたり、といった感じ。古漢融合は古文と漢文の融合問題だ。

こうしてみるとほとんどの学部で融合問題を出しており、早稲田の入試で特徴的な傾向になっている。2011年は国際教養、教育、文学部のみ融合問題ではない。ただしどの学部も融合問題を年度により出題したりしなかったりするので、学部ごとの決まった傾向があるわけではないことに注意。

難易度の傾向

上の表で「標準的」のものは、基本的に古文も漢文も基礎的な知識や読解力をもっていれば解けるレベルといえる。古文であれば助動詞や敬語を含んだ設問にきちんと答えられるか、漢文なら基本的な参考書にある句形をマスターしているかどうか。

個人的な印象では、古文単独より融合問題のほうが簡単だった。融合問題は単純な難しさではなく、現代文などと絡めて、より文脈を柔軟に読み取れるかを試している気がする。細かい知識よりも当たり前の知識をいかに使いこなせるか、というのを試しているとも言っていい。いずれにせよ、融合問題自体は難しさをアップさせるタイプの問題ではない。

対策の仕方

年度によってどの学部が融合問題を採用するかはハッキリ決まっていないから、直前対策期までは基礎力をつけることに力を入れればいい。

古文

11月くらいまでは「中堅私大古文演習」などで基礎レベルの読解力をつけて、それ以降は読解古文問題集(難関大編)などで記述を含めて対策。

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「読解古文問題集」の難関大編は、記述対策用にもなるので、「中堅私大古文演習」でMARCHレベルまでの知識をつけたあとは、この本で対策をすればいい。上智大学の古文もこの難関大編でなんとかなるだろう。

漢文

句形のマスターが重要。センターを受ける人なら読解はセンター過去問などで積めばいいと思う。

自分は漢文にそこまでたくさん時間を割くことができなかったので、以下の2つだけを集中的にやって、あとはセンター過去問を10年分やっただけで間に合わせた。
◎句形を覚える→らくらくマスター漢文句形と単語
◎その演習用に→漢文句形ドリルと演習

漢文は真面目で硬すぎる参考書も多々あるので、とっつきやすさだけで選んだ。古文同様、繰り返しやるのに向いていてとても使いやすい。

これらが終わったら過去問対策を

基礎力がついていれば、いざ融合問題を目にしたとき「あ、意外とわかるかも」と思えるはず。そこまで難しくはない。

現古漢融合問題でも、本文の趣旨を読み取る設問は結局「文章を正確に読解する能力」を試している。

ということは、古文漢文の基礎知識以上に、現代文の読解力を鍛えていれば、おのずと問題が解けるようになっていくはずだ。