中堅私大古文演習の使い方
古典文法をある程度やったら、中堅私大古文演習で実戦を積むのがおすすめ。全24題あり、難関志望でも十分実力をつけることができる。
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使うタイミング
◯文法の基礎を習得済み(古典文法を助動詞まで終えた)
◯文法ができてきたので読解演習をしたいと考えている
◯偏差値40〜60(MARCHあたりまで)
使い方
全24題、それぞれ2〜3周を目標にする。
はじめは問題を解いてみて、間違えた問題に×マークをつけておく。×マークつけたところは解説をじっくり読んで次間違えないようにするのが大事。
ある程度進んだらジャンル別に復習
ある程度進んだら、どの設問ジャンルに×マークが多いのか傾向がわかってくるだろう。助動詞の活用でよく間違えるなら助動詞の復習を、単語の意味を間違えたら古文単語の復習を、という風に×マークに応じた復習をする。全体的に30%くらいしか解けていなかったら、多分助動詞までの文法知識と語彙量が足りない。その場合は、あらためて文法と単語を強化していく。
各読解とも設問数が多いのがこの問題集の特徴で、自分の苦手な設問形式などを知ることができる。Z会の「古文上達」と難易度的には近いが、こちらの問題集のほうが苦手対策をしやすい。
2周目、3周目の使い方
できれば、3周目まどやるといい。
2周目……×マークのついたところが解けるようになったかを確認
3周目……再び全設問を解いて、目標時間内に解けるかなどを確認
かける時間と解き方
1周目:30〜50分くらいでひとつの読解を解く。
2周目:10〜20分くらいで×の箇所を解く。
3周目:20〜30分以内で全体を解く。
参考書を繰り返し使うのはこのブログの基本スタンスだが、一度やったページには「正」の字を書くといい。一周するごとに正の字を一画ずつ書き足していく(5周目で正という字になる)。
周回数をメモすることで、
・一周で満足してしまうのを回避する
・どの問題を何回やったか、把握することができる
というメリットがある。自分はどの参考書でもメモすることにしていた。評判の良い参考書はかならず3周以上やるようにしていた。
正の字は5画なので、5周やるかどうかが問題。時間との折り合いもあるが、3周程度やると参考書の効果がようやく出てくる。一応、3画目までを目標にすればいいと思う。
現代語訳の練習の有無
独学の人は、この本の文章を現代語訳にしてみると訳の練習にもなるだろう。ただし、全訳は時間がかかるし、あくまで問題を解くための手段にすぎないから、あまり訳に時間をかける必要はない。重要なのは、文章全体でなにが言いたいのかをつかむこと。テーマをつかむこと。一文一文の主語をつかむことだ。
なので、訳の練習は時間をかけない程度にやろう。ノートに書く必要は必ずしもなし。一文ずつ声に出し、訳も声に出す。訳せないところは解説を読む。それで20〜30分くらいで訳練習は終わりでいい。
訳をするときに主語を見分ける方法
訳するときに主語をどうやって見分けるかは別の機会にまとめたい。自分が予備校の授業で教わったテクニックは以下。
・助詞「て」→主語は変わらず(「て」は動作の連続を表すので)
・助詞「ば」→主語が80%変化(変化する:風が吹け「ば」桶屋が儲かる/変化してない:犬も歩け「ば」棒に当たる)
それと、「啓す」や「奏す」など最高敬語だったら帝が主語、など。ただし最高敬語が出る文章は一部だ。
最初は助詞の「て」「ば」を追いつつ、登場人物を毎回よく把握しながら読むといい。
まとめ
◎3周くらいを目標に
◎設問のジャンル(活用、語彙、解釈など)で苦手を把握
◎時間をかけない程度に訳をする