受験と百人一首
原色小倉百人一首―古典短歌の精髄をカラーで再現 (シグマベスト) 鈴木 日出男,依田 泰,山口 慎一 文英堂 売り上げランキング : 7380 Amazonで詳しく見る |
出るとしたら、古文常識を問う知識問題で
毎年私大入試の古文で一問か二問、古文の常識を問う問題が出てくる。
たとえば、
・次の中から同じ時代に書かれたものではないものを一つ選べ
・この和歌が詠まれた時代に作られた物語集はどれか』
・『蔀』の読み方を歴史的仮名遣いで記せ
など。
しかし古文の知識問題は勉強するのが結構面倒である。現代とちがい、想像しにくく、なかなか覚えようと思っても難しいからである。人物の違いが判別しにくかったり、和歌と詠み手が結びつかなったり……文学部志望者ならまだしも、古文に苦手意識がある人などはとっつきにくいと思う。
そこで勉強のとっかかりをつかむために百人一首をやるのはアリだろう。
スタートラインとして活用する
百人一首は当時有名だった詠み手や作品をまとめた「コンピレーションアルバム」。そこには知識問題で出されるような作品の作者だったり、知識として押さえておきたい当時の生活環境などがわかるヒントがたくさん登場する。古文の知識問題は細かいところより、まず主要人物を押さえていったほうが効率よく覚えていけるので、百人一首はスタートラインとして便利だ。
それと、解説本が豊富なのが利点。受験用参考書はほとんど存在しないだろうがたとえば「原色小倉百人一首」という本はとても分かりやすく、見やすいデザインだ。自分は予備校の授業で古文常識を覚える時に、この本に関連情報があるかどうかを調べた。関連する項目がある場合だけ、その一首と解説の部分を熟読するようにした。百首全部を覚えたり読む必要はないが、参照用としては非常に使いやすく便利だった。
ちなみに、和歌を勉強していると枕詞や助動詞・助詞の使い方を学ぶことができる。知識がある程度ついてから一読してみると、より文法が自分のものになると思う。