古典文法・助動詞の勉強の進め方

古文の助動詞は28個。「き・けり」から「ごとし」まで、すべて受験で出題されることになる。

たった28個。なのにきちんと覚えることで読解が驚くほど読みやすくなるから、2週間でマスターしてみよう。
2週間でマスターするための進め方を書いてみる。

活用・接続・意味の三要素を覚えるだけ

概要としては、それぞれの助動詞の、活用・接続・意味をマスターするだけ。もちろん、28個分を一度にやるわけではない。グループごとに分けて、それぞれ個別攻略していくイメージだ。2〜3個ずつ、問題演習をぐるぐる回して覚えていく感じ。料理のレシピを28個覚えるようなものだと思えばいい。

進め方(接続→活用と意味)

1.全助動詞の接続を覚える
  ↓
2.過去や推量などのグループごとに活用と意味を覚えていく


接続を最初に覚える!
というのがポイント。

1.接続を最初に覚えるのはなぜ?

接続だけはまとめて覚えたほうが早いし、どんな助動詞があるのか下見できるから。28個もあるのだから、最初にだいたいこんな助動詞がある、と知っておいたほうが個別攻略するときに記憶しやすくなる。だから接続を先にやってしまうのだ。

接続を覚えると、たとえばこんな問題を解くことができる。

問.<>内の単語を正しい形に直せ。
<あり>まほし

答えがわかっただろうか?

解き方(手順)

・まず後ろの単語を見る。
まほしという助動詞だ。
まほしは未然形に接続する助動詞だから、<>内を未然形に活用すればいい。
・<>内のありという単語はラ変のありという動詞。
・ラ変活用で未然形、つまり「あら」である。
・したがって答えは<あら>。
・「あらまほし」(あってほしい)という意味のフレーズになる。

以上。
覚え方さえ知っていれば、すぐに解くことができる。

28個の助動詞の接続を覚える方法

予備校で習う人もいるかもしれないが、独学の人は参考書などで覚え歌を使うべき。接続自体は1日で28個全部覚えるべし。それ以上時間かけるなんてもったいない。

接続の覚え方はゴロや覚え歌などが存在する。どのゴロでも覚えてしまえばどれでもOK。習ったことがなかったら、「富井の古典文法をはじめからていねいに」の桃太郎の覚え歌がいい。ちょっと恥ずかしいけれど、二度と忘れなくなるので、試してみるといいと思う。接続なんか覚えるだけだから、それより先にある山へ進むことが大事。

※「接続する」ってどういうこと?という人も上の本で学べるので買って読んでみてください。接続や活用などの基礎の基礎からわかりやすく学習することができます。先に進むなら必須です。

2.過去や推量などのグループごとに活用と意味を覚えていく

28個の助動詞の接続を覚えたら次のステップへ進もう。次はそれぞれの助動詞の活用および意味を覚えていく。

今度はさすがに1日だと厳しい。ただし、2週間くらい時間をかければ十分覚えられる。「ステップアップノート」がベスト参考書だ。

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独学・自宅学習用の古典文法問題集でこの本ほど役に立つものはない。

強いて欠点を挙げるなら、活用表が書き込みできる形式じゃない点だ。ただ、活用表くらいは自分で紙に書けば済む話だし、音読を併用することですぐに覚えてしまえる。使いやすさで他の古典文法問題集をはるかに凌ぐので、読んでみてほしい。

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ステップアップノートの特徴だが、
・2〜3個ずつ進めていける。
・テンポよく何周も繰り返し使える。
・問題が適度に載っていて、基礎用に最適
などなど。

使い方としては、
最初に「活用表」を見て、それぞれ紙かノートなどに何度も書いて覚える。たとえば過去の助動詞「き」なら「せ・◯・き・し・しか・◯」と何度も書いて音読して覚える。

次に、そのページごとの助動詞の活用表が言えるようになったら意味を覚える。複数の意味がある助動詞があるが、この問題集や富井の参考書などで見分け方を覚えよう。

そのあとは、横のページにある練習問題で、接続・活用・意味の確認をする。最初に一回、次に間違ったところのみ一回、最後に前問題を一回やる。合計3周はやるといいだろう。3周を2週間でやり切る。短期間で繰り返しやることで、ちまちまやるよりもクリアに記憶できると思う。時間をかけると逆に見分けがつけにくくなっていくので一気呵成に終わらせよう。とにかく3周が最低目標だ。

なお、何周もやるとき、そのページを終えたら「正」の字をページの隅に一周につき一画ずつ書き足していき、何回やったか記録しておく。そうすると達成感がUPする。受験本番までこれをやってモチベーションをキープするといい。

ステップアップノートは敬語なども掲載されているが、ここでは、ひとまず助動詞までを3周やってしまおう。敬語と助詞は読解のなかでも覚えていける。

短期集中で助動詞を終わらせよう

以上の方法で自分は2週間で終わらせた。短期集中による達成感をここで初めて実感したし、この勉強法でその後も自信がついたと思う。受験は失敗と成功の積み重ねだが、こういう成功体験をどこか小さなところで体験してみて、少しずつでも積み重ねていってほしい。

ということで助動詞は2週間を目標にどうぞ。開始時期は、古文の基礎の基礎である動詞と係り結びのところまでを終えたらすぐにでも。